トレビエハにある2つのLAGOONラグーン
スペイン南東部コスタ ブランカにあるアリカンテからわずか約60kmにある小さな海辺の街トレビエハには、2つのカラフルなラグーン(塩湖、スペイン語ラグーナLagunaまたはサリナSalina)が隣接し、自然公園として保護されています。
一つは右上にある青緑色のラ・マタ塩湖(La Laguna de la Mata)の面積はおよそ700ha。ラス ラグナス デ ラ マタ イ トレビエハ自然公園にある塩湖の周りは、人里離れた静かな場所を楽しむためのハイキングコースやサイクリングレーン、バードウォッチングのための展望台やピクニックエリアなどあります。
もう一つは、ピンク色をしたトレビエハ塩湖(La Laguna Salada de Torrevieja)はその倍でおよそ1400ha。塩分が超高濃度で、ヨーロッパで唯一の治療効果があるということで人気のある観光スポットの1つとなっています。どんな効能があるのか紐解いていきましょう。
どうしてサーモンピンク色なの??
上空から見ての通り、2つの湖は全く違った色をしています。
どうして一方はこんな不思議なピンク色をしているのでしょうか?
その原因は二つあります。
1. ハロバクテリア(Halobacterium)(別名「塩バクテリア」)と呼ばれる珍しい種類の微生物
2. ドゥナリエラ サリナ(Dunaliella Salina)という希少種の微細藻類
特に塩分の多い水面下で強い日差しに当たると繁栄することにより、バブルガムのようなピンクになります。このサーモンピンク色とも言われる海藻は、抗酸化物質とがんと闘うカロテノイドが高濃度で含まれていることでも知られています。
この地域の高濃度のミネラルとヨウ素は、呼吸系に問題がある方でも無理なく呼吸でき、症状が良くなる空気を作り出すと言われています。実際、東京から2週間滞在した喘息持ちの友人は一度も喘息スプレーを使用しないで過ごすことができ、あまりにも息が楽なので走ったり、木登りしてはしゃいでおりました。
天然海塩
人々は何世紀にもわたって塩湖水からミネラルを集め、トレビエハのピンクの塩湖は19世紀初頭に正式にスペインの塩産業の中心地となりました。地中海の水が常に補充されているため、途切れることなく水 1 リットルあたり 350グラムもの天然海塩を生成します。トレビエハ塩湖は年間 100万トンもの天然海塩を供給し、海外に輸出しています。
1995年には、トレビエハ市が Museo del Mar y de la Sal (海と塩の博物館) を開設しました。トレビエハの塩生産の歴史を振り返る歴史的な品々を見ることができます。
塩分濃度が高いので、糸で作った船を沈ませておくとクリスタル塩でできた船が完成する
フラミンゴの遊び場
フラミンゴの赤ちゃんを見たことがある人なら、彼らが本来ピンク色ではないことをご存知でしょう。生まれた時は、灰色がかった色をしているのです。
ソルトウォーター ブライン シュリンプ (Artemia salina Crustaceans) と呼ばれる小さな生き物は、藻類やバクテリアを食べてピンク色になります。これがフラミンゴの食料源となり、羽毛がサーモンピンクがかった色となるのです。
サンタポーラにある塩湖にもフラミンゴが生息しており、トリビエハの塩湖には、8月中旬から9月末の渡りの季節に 約2000 羽のフラミンゴが繁殖期を過ごすためにやってきます。湿地は手付かずの美しさで、様々な鳥をバードウオッチングすることができます。
自然保護区域
以前は塩湖の底に堆積した泥が皮膚や関節炎の病気に最適な治療法と言われており、リウマチなどの人が身体に泥を塗ったり、塩分濃度の高い湖でゆったりと浮かんだりしている光景がよく見られました。しかし現在トレビエハの塩湖は貴重な生態系を保護するために入浴は禁止されています。
(トリビエハから近くの海で、泥を塗れるビーチもございます。)
このサーモンピンク塩湖が作り出す環境は幸福感と健康にとても良いと言われており、この地域にヨーロッパから多くの訪れる理由の一つでもあります。
他にイスラエルの死海、アメリカのグレートソルトレイク、ボリビア、セネガル、メキシコ、オーストラリアにも似たような効能のあるピンクの塩湖があるそうですが、ヨーロッパおよびスペインで体感したい方は是非遊びにいらしてください。
近くに短期・長期宿泊施設、貸別荘もございます。
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